Topping KB22レビュー!高音質オーディオと交換式キーボード
Toppingから、オーディオ・インターフェイスとメカニカルキーボードを一体化した興味深い製品「KB22」が登場しました。
オーディオ機器の測定結果を重視するAudio Science Review(ASR)でレビューを探してみると、すでに測定結果が公開されていました。今回注目したいのは、Toppingらしい高性能なオーディオ・インターフェイスと、キースイッチを交換できるメカニカルキーボードを組み合わせている点です。
ASRによる評価と測定結果
ASRでは、オーディオ機器の測定結果を公開するだけでなく、フォーラムのメンバーが測定結果をもとに製品を4段階で評価する仕組みがあります。Topping KB22の評価では、最高評価の割合が82.2%となっており、かなり高い評価を得ています。
Topping KB22 Audio Interface and Keyboard Review
投票するメンバーによって重視するポイントは異なるため、最高評価が100%に近づくことはほとんどありません。個人的には90%を超える製品であれば、非常に優秀な性能を持っていると考えています。ちなみに、最低評価が100%になる製品は何度か見たことがあります。

また、今回の評価はオーディオ・インターフェイスの測定結果を対象にしたもので、キーボードとしての使いやすさや打鍵感は含まれていません。
測定結果を見ると、KB22のDAC・ヘッドホンアンプはSINAD 117dBを記録しています。SINADは信号に対するノイズと歪みの少なさを示す指標で、数値が高いほど優秀です。ASRの測定データベースでも推奨製品として掲載されており、オーディオ機器として十分に高い性能を備えていることがわかります。
オーディオ・インターフェイス機能
Toppingは、NFCA(Nested Feedback Composite Amplifier)と呼ばれる独自の増幅技術を持っています。
NFCAは、複数のフィードバック回路を組み合わせることで、歪みやノイズを抑える技術です。特に注目したいのが、接続するヘッドホンやスピーカーの負荷によって出力特性が変化する「負荷依存性」を低減できる点です。
ヘッドホンには製品ごとに異なるインピーダンスや周波数特性があり、アンプの出力インピーダンスが高いと、接続するヘッドホンによって再生音が変化する場合があります。出力インピーダンスを低く抑えることで、このような影響を小さくできます。近年のToppingは、こうした技術を発展させ、比較的安価な製品にも優れたオーディオ回路を搭載しています。
KB22についても、ASRの測定結果からは、Toppingのこれまでの製品に通じる高い性能が確認できます。ただし、メーカーの製品ページにはNFCAの採用について記載がないため、具体的にどの技術が使われているかは不明です。
入出力端子
KB22は、マイクや楽器の接続からヘッドホンでのモニタリングまで対応しています。
- USB Type-C
- XLR/TRSコンボ入力×2
- USB OTG
- 6.35mm TRS
- 3.5mmヘッドホン・ヘッドセット端子
- 6.35mmヘッドホン端子
本体には3つのUSB Type-C端子があり、それぞれデータ通信と電源供給、OTG接続に役割が分かれています。
USB-C端子はPCとのデータ通信と電源供給、OTG端子はスマートフォンなどとの接続、POWER端子は外部電源からの給電に使用します。メーカーが推奨する電源供給方法は、POWER端子を使って外部から給電する方法です。PCからのバスパワーに頼らず、電源を別に用意することで、電源由来のノイズの影響を抑える狙いがあると考えられます。
3つのオーディオモード
KB22には、用途に応じて切り替えられる3つのオーディオモードが用意されています。
- HiFiモード:音楽鑑賞を中心としたモードです。最大384kHz/32bitのPCMやDSD256に対応し、10バンドのPEQを使った周波数特性の調整も可能です。ヘッドホンの特性に合わせて音を補正したい場合にも便利です
- Gamingモード:ゲームやボイスチャット、配信などに適したモードです。ゲーム音とマイク音声のミキシングに加え、ノイズリダクションや音声強調、音量の自動調整などに対応しています。複数の音声をまとめて扱えるため、ゲーム配信にも活用できます。
- Pro Audioモード:録音や音楽制作に適したモードです。マイクや楽器の入力、ヘッドホンでのモニタリングに対応し、EQやコンプレッサーなどのDSP機能も利用できます。ASIOドライバーにも対応しているため、音楽制作環境にも組み込みやすくなっています。
このように、音楽鑑賞だけでなく、ゲーム配信や録音まで幅広い用途に対応しているのがKB22の特徴です。
キーボード機能
KB22は、オーディオ機器としての機能だけでなく、メカニカルキーボードとしてもカスタマイズ性を備えています。キースイッチは交換可能なホットスワップ方式を採用しており、はんだ付けをせずに取り外して交換できます。
本体は白色と黒色が用意され、それぞれリニアータイプとタクタイルタイプのキースイッチを選択できます。リニアータイプは押し始めから底まで滑らかに動くタイプで、Cherry MXでいう赤軸に近い感触です。一方、タクタイルタイプは押したときにクリック感に似た段差があり、入力した感触を得やすくなっています。こちらは茶軸に近い感触です。
また、交換用のキースイッチが4個付属しています。スイッチが故障した場合の交換用として利用できるほか、打鍵感を変えたい場合にも役立ちます。メカニカルキーボードではキーキャップの交換は一般的ですが、キースイッチそのものを交換できる製品は、すべての製品に採用されているわけではありません。KB22はこの点でもカスタマイズ性に優れています。なお、キーボード全体のキースイッチを交換するための別売りセットについては、現時点で確認できませんでした。
キーの割り当ては専用アプリケーションから変更でき、好みに合わせたキー配置にカスタマイズできます。
最後に
Topping KB22は、高性能なオーディオ・インターフェイスとメカニカルキーボードを一体化したユニークな製品です。
特に注目したいのは、ASRの測定結果でSINAD 117dBを記録し、推奨製品として評価されているオーディオ性能です。近年のToppingが得意とする、価格を抑えながら高い測定性能を実現する設計がKB22にも生かされているようです。
さらに、キースイッチのホットスワップにも対応しているため、故障時の交換だけでなく、好みに合わせたカスタマイズも可能です。オーディオ・インターフェイスとキーボードを別々に用意する必要がなく、デスク周りをすっきりまとめられる点も魅力です。音質とキーボードの両方にこだわりたい人にとって、興味深い選択肢になるでしょう。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。